アヤメもショウブは漢字で書くとどちらも「菖蒲」ですが、菖蒲(アヤメ)と菖蒲(ショウブ)は別物です。花菖蒲(ハナショウブ)と菖蒲(ショウブ)も別物です。
アヤメ(菖蒲)
剣状の細い葉が縦に並んでいる様子が文目(あやめ)模様に見えることから。花基部が網目模様になっていることから。
花ショウブ(花菖蒲)
葉が菖蒲に似ていて、花を咲かせるから。
カキツバタ
カキツバタの色(青紫)を染み出させ布などに書き付けけた、衣の染料に使われたことから「書付花」と呼ばれていたのが始まり。
ショウブ
花弁の根元を見ますと、アヤメは網目模様、花ショウブは黄色の丸い斑点模様、カキツバタは白の斑点模様になっています。花弁が咲いた状態であれば簡単に見分けがつきます。
アヤメ(菖蒲)
アヤメ科アヤメ属
小輪で、畑などで紫色の花を咲かせます。湿地帯では生えません。
花ショウブ(花菖蒲)
アヤメ科アヤメ属
大輪で、紫色の他に白や黄色の花を咲かせます。水気の多い場所で生え、観賞用として池で栽培されることもあります。
カキツバタ(杜若)
アヤメ科アヤメ属
中輪で、紫色系統が多く、花の根元に白い筋目があります。水辺などの湿地帯で花を咲かせ、畑地には生えていません。
ショウブ(菖蒲)
サトイモ科ショウブ属
葉っぱが似ているだけで、花は蒲(がま)の穂のような黄色い花が咲きます。
花を咲かせていない場合は、生えている場所、大きさで見分けることができます。
畑地生えていたらアヤメかショウブのどちらかです。アヤメは大きくても60㎝程度、ショウブは1m近くになるので背丈の違いで見分けることができます。一方、池などの水辺で生えていたら花ショウブかカキツバタのいずれかで、背丈の大きい方が花ショウブとなります。
菖蒲(ショウブゆ)湯の由来は古来中国を発端としています。古くから薬草として菖蒲を利用していた中国において、菖蒲湯は漢方の湯治療のひとつでした。菖蒲は邪気を祓うと言われており、5月5日には菖蒲酒を飲むなどなして邪気を祓う風習がありました。また、ショウブは「尚武(武道や軍事を尊ぶこと)」や「勝負」にも通じるとも言われてきました。